お姉さんの勧誘には抗えなかった件

美容には以前から興味を持っていました。
自宅でもお高めの美顔器を使ってスキンケアをしており、肌がキレイになるのを喜んでいたのです。
しかし自宅でのお手入れでは物足りなくなってきた私は、お試し気分ではあったものの、エステという領域に足を運び入れることとなったのです。
エステ自体は初めてでしたが、キレイなお姉さん方とお喋りができるということもあって楽しさもありました。
初心者でしたのでお試しコースから利用しましたが施術も気持ちが良く最高でした。
ただ、問題は施術を終えた後に起こりました。
要は勧誘を受ける羽目になったのですが、その勧誘をしてくる相手がなかなかのテクニックの持ち主で恐ろしさすら感じたのです。
実はエステを利用する段階で勧誘の心配も少しあり、その不安を大きくするかの如く施術の時にもさりげなく高級なコースの説明も受けていました。
そこまで投資をすることはまだ考えていませんでしたから、その時は適当に聞き流し、それで勧誘は終わりだと思っていたのです。
ところが施術が終わってから本格的な勧誘が開始されてしまいました。
施術後はすぐに帰ることができると思っていたところ、肌の状態についての説明やどんなケアが必要なのかなどのアドバイスをしてくれるという名目で別室へ案内されました。
その時はサービスが充実しているなと感動の気持ちすらありました。
しかし話しを聞いていると、途中から様子が違ってきました。
最初は肌の解説についての話題だったのですが、気が付くとおすすめのコースの話題になっているではないですか。
自然にコースの解説が始まり出し、しかもかなり熱心に説明をしてくれています。
ただ、自分の中では決心はついておらず、エステを利用するにしても他のところへも行ってみたいと思っていたのです。
ですから適当に断ってしまおうと考えていました。
しかしながら担当のエステティシャンはなかなかのやり手で、逃げ道をことごとく潰してきます。
こっちがこう言えば相手はその行く手を遮るようなトーク術を展開し、別の逃げ道を行けばまた別の角度から行く手を阻みます。
その間、彼女は営業スマイルを崩さずニコニコと説明してくるわけですが、その笑顔の裏でメラメラと燃える何かを垣間見て恐怖すら感じていました。
状況をサッカーに例えると、私がゴールを決めれば帰宅できるところ、それを様々な手でガードする彼女はさながら名ゴールキーパーのようでした。
まるで千手観音を相手にしているかのような心境でもありましたから、途中から心も折れ始め、最終的にはしっかりと契約する始末でした。
きっぱりと拒否をすれば良かったと思われるかもしれせんが、不思議と彼女の悲しむ顔を見たくない自分もおり、ついつい手の平の上で踊らされてしまったのです。
どの道エステには興味があったから、と強がってはみるものの、正直なところ手痛い出費でした。